自動車ローンや住宅ローンに関しては、過払い対象にはなりません。もし20数%などの金利設定の自動車ローンがあれば別ですが、実際にはありえない金利設定です。グレーゾーン金利で融資していたローンは、総じて多目的ローンなのです。自動車ローンなどは目的が自動車に関することであり、それ以外の用途には使えないので、キャッシングやカードローンとは根本的に異なるローンです。

一般的な多目的ローンには、キャッシング、カードローンがあります。これらをまとめてフリーローンと呼ぶこともありますが、いずれにしても用途が多目的なのが特徴です。多目的と目的自由はまた意味が異なり、後者のほうが幅広い用途に対応しています。多目的でも事業資金、おまとめなどに利用できないローンは多くあります。

過払いの対象となる金利は、15.0%~20.0%の超過金利部分なのです。利息制限法の金利設定は、借入額により異なります。多目的ローンの利用者の多くは、10万円以上100万円の借り入れをしています。利息制限法が認めている金利は、10万円以上100万円未満では18.0%、100万円以上では15.0%となります。

10万円未満では20.0%まで認められますが、数万円だけ借りる方は非常に少ないため、20.0%の金利で借りている方はほとんどいないわけです。過去に100万円を25.0%で借りていたならば、10.0%分が過払いになります。100万円を15.0%で借りていた方に関しては、1円も戻ることはありません。